相続財産の9割が不動産等、現金や預貯金ではない相続財産が多い場合があります。残された遺産としての価値は高いですが、相続人が手持ちの現金の余裕がないと、相続税を払うことが困難です。そのような場合、担保提供して、相続財産の構成割合によっては異なりますが、5年から20年の延納を行うことができます。
相続税の延納手続き
- 必要書類…相続税延納申請書
- 申請人…延納を希望する相続人
- 申請先…納税地の所轄税務署長
申請時期は、相続税の納付期限もしくは納付すべき日までとなります。税理士に依頼することも可能ですが、報酬が発生するので注意が必要です。
添付する書類として、納付を困難とする理由書と担保目録及び担保提供書が必要となります。また、何を担保にするかによって必要な書類が変わってきます。
担保の設定
不動産を担保にする場合
- 不動産の登記簿謄本
- 固定資産評価証明書の原本
- 抵当権設定登記承諾書
- 担保提供する人の印鑑証明書
- 評価証明書及び地積図、住宅地図等、不動産の現状が分かる書類
有価証券を担保にする場合
株式の場合は、証券口座の口座振替簿の写しが必要となります。国債の場合は、登録国債担保金登録済通知書が必要となります。こちらは国債を購入した場所で請求することが可能です。
保証人による保証の場合
納税保証書、印鑑証明書はいずれにせよ必ず必要で、保証人が法人の場合は、登記簿謄本、取締役会等の議事録の写し、決算書が必要となります。個人の場合は保証人の土地、建物の謄本及び固定資産評価証明書、保証人の源泉徴収票、もしくは納税証明書が必要となります。
延納の要件
相続税は現金で納付することが原則ですが、一定の条件を満たす場合は分割により納税することができます。相続税額が100,000円を超えている事、金銭納付を困難とする金額の範囲内であること、相続税の期限内までに提出すること、延納税額に相当する担保提供することが条件です。
ただし、延納する税金の金額が1,000,000円未満かつその延納期間が3年以内である場合は、担保提供する必要はありません。なお、申告期限後に延納申請書を提出した場合、却下されるので注意が必要です。延納に関しては期限をかなり意識して行ったほうがいいでしょう。
提出期限延長届出書の提出回数に制限はありませんが、一度の届出によって延長できる期間の上限は3ヶ月です。また延長できる期間は最長でも延納申請期限の翌日から6カ月間となります。
法律行為に制限がある人の財産を担保にする場合
ややイレギュラーなケースですが、未成年者、成年後見人等、法律行為に対して制限がある人の資産を延納の担保として提供する場合は、法定代理人と資格を称する書面の添付が必要となります。
未成年者の場合は、その未成年者の戸籍謄本と法定代理人の印鑑証明が必要です。成年被後見人の場合は、成年、被後見人の登記事項証明書及び成年後見人の印鑑証明書が必要です。被保佐人の場合は、保佐人の登記事項証明書と本人の印鑑証明書、保佐人の同意書と印鑑証明書が必要です。 被補助人の場合も被保佐人と全く同様です。
ただし、保佐人の同意、補助人の同意書、保佐人の印鑑証明書、補助人の印鑑証明書に関しては、延納担保手続において代理権が付与されている場合は必要ありません。