相続財産の中には国債が含まれている場合があります。国債とは国が歳入の不足を補うためにお金を借入することによって負う一切の債務のことをさします。
いわば国が我々に借金をしているようなものです。その債権が相続財産となるのです。
国債にはいくつか種類があり、利付国債、割引国債、個人向け国債があります。それぞれを解説していくと利付国国債とは半年ごとに利息を受け取れる国債のことで満期が定められており、満期時に額面金額が支払われます。
割引国債(クーポン国債)とは、利息はつかないものの発行価格が額面以下となっているので換金した際の金額から額面を引いた差額が利益となります。現在は発行されていないようです。
個人向け国債とはその名の通り、個人のみが購入できる国債のことで利息を受け取ることができる国債です。最低額面金額は1万円です。
国債と遺産分割
今回遺産分割の中で主体となるのは個人向け国債についてです。
国債の法的性質
相続が始まった場合、国債が分割されるのか、遺産分割が完了するまで相続人の共有となるのかははっきりとしておりませんでした。一般的には相続によって分割されないと考えられて来ました。
平成26年の2月に最高裁判所で相続人の共有となるという判決が出ました。簡単に要約すると個人向け国債の購入単位は最低1万円からのため分けることはなじまないと判断されました。
個人向け国債については、 平成 26 年 2 月判例は、その発行根拠となる 法令である個人向け国債の発行等に関する省令上、 額面金額の最低額が1万円とされており、その権利の帰属を定めている社債、 株式等の振替に関する法律14による振替口座簿の記載または記録は、 この最低額の整数倍の金額によるものとされていること (同令 3 条)、 中途換金 (同令 6 条) もこの金額を基準として行われるものと解されることから、法令上、一定額 をもって権利の単位が定められ、一単位未満での権利行使が予定されていないものというべきであり、このような個人向け国債の内容及び性質に照らせば、 共同相続された個人向け国債は相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはないという。
これにより遺産分割が完了しないと勝手に相続人が個別に行使することはできないということになります。
国債の換金
また国債の性質として中途換金をしたくなった場合に、証券会社等の金融機関に買取の請求することができます。原則としては国債を購入してから1年となっておりますが、相続によって取得した相続人ならそれ以前でも換金が可能です。
個人向け国債の相続税評価
個人向け国債の相続税の評価は、国税庁のHPにはっきりと記載されております。
個人向け国債は、課税時期において中途換金した場合に取扱機関から支払いを受けることができる価額により評価します。
具体的には、次に掲げる算式により計算した金額によって評価します。
(算式) 額面金額 + 経過利子相当額 - 中途換金調整額
(出典 : 国税庁HP)
上記計算式は法令でも決まっております。