遺産分割協議をした後に認知を受けたと主張する人が現れたりした場合、遺産分割協議をやり直す必要があるのでしょうか?民法などと照らし合わせながら解説いたします。
認知を受けていた場合
認知とは父親が結婚外(事実上の結婚生活など)で生まれた子供に対し自分の子供であると言うことを認めることです。行政的には認知届と言う書類を役所に提出して、父親と子供の関係を発生させることで認知が行われます。認知届が受理されると戸籍にその旨が記載されます。
遺産分割協議を行う前に認知が行われていれば、当然戸籍謄本をチェックするため相続人となり遺産分割協議に参加することになります。
遺産分割協議が終了した時点で認知を受けたと主張する子供が出てきたことですから、この場合戸籍を調べた時点では存在せず、被相続人の死亡後に認知訴訟等を起こして認められたケースと考えられます。これを強制認知といいます。
強制認知の場合
遺産分割協議が終了していると、相続財産に不動産がある場合は、既に登記されていたり売却されている可能性があります。しかしながら認知を新しくされた相続人を入れて遺産分割協議をやり直した場合、非常に大変な作業となります。
このような場合に備えて民法910条では相続開始後に認知を受けたものが遺産分割を請求する場合、ほかの相続人が遺産の処分などをすでにしている場合は金額のみを請求することができるとなっております。遺産分割のやり直しは認められません。
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(第910条)相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。
相続分皆無証明に印鑑を押した相続人が相続を主張してきた場合
相続放棄の代わりの簡便な方法として、相続人皆無証明書と言うものがあります。相続人が被相続人の生前贈与などを受けた場合、被相続人が遺言などで特別な意思を残していなければ、相続にあたってはその受益額が差し引かれ、受益者が相続で受け取る金額がゼロになることがあります。
そのような場合に生前に相続分を超える贈与を受けたことは間違いがないと書かれた書類に印鑑を押して残すことがあります。この書類を相続分皆無証明書といいます。
遺産を相続して登記する場合、この書類を添付すれば遺産分割協議書がなくても相続登記が可能です。通常の場合は問題ないのですが、この書類が偽造であった場合や他の圧力などによって作成された場合、取り消すことが可能です。この場合は遺産分割協議のやり直しとなります。