外国に相続財産がある場合や、相続税対策として海外に移住した場合などの相続はどのようになるのでしょうか?具体的に解説して行きます。
日本での相続税
日本では相続税がかかります。相続財産の金額によって税率は変動し、最高55%の税金が発生します。相続税は原則、被相続人の財産すべてにかかります。
相続税がかからない国
世界には相続税がかからない国があります。マレーシア、シンガポール、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、中国などが該当します。オーストラリアなどはここ20年くらいで相続税がなくなりました。
日本では先ほど述べたように最高55%の税金を支払う義務が発生するため、できる限り相続税のない国に移動して、支払わないようにしたいという考えの人が出て来てもおかしくありません。
住民票を日本から抜き、海外移住をすることで相続税がかからないのでしょうか?それとも国籍変更すればかからないのでしょうか?色々と疑問が出てまいります。
具体的な相続課税対象者
被相続人・相続人共に日本に住んでいる場合は被相続人と相続人が共に日本国内に住んでいる場合は居住無制限納税義務者となり、被相続人の国内、国外の財産共に課税対象となります。
また相続人が国内に住んでいる場合(定住者)は被相続人の状況によらず居住無制限納税義務者のため被相続人の国内、国外の財産共に課税対象となります。
国外に相続税の納税義務者がいる場合
相続など(遺贈、死因贈与)により財産を取得した時に、外国に住んでいて日本に住所がない人は、取得した財産のうち日本国内にある財産だけが相続税の課税対象になります。
ただし、次のいずれかに該当する人が財産を取得した場合には、日本国外にある財産についても相続税の対象になります。
1 財産を取得したときに日本国籍を有している人で、被相続人の死亡した日前10年以内に日本国内に住所を有したことがある場合か、同期間内に住所を有したことがなく被相続人が外国人被相続人または非居住被相続人でない場合
2 財産を取得したときに日本国籍を有していない人で、被相続人が外国人被相続人、非居住被相続人または非居住外国人でない場合
国外財産の相続税評価
国際相続で国外財産がある場合でも、相続人の住所が日本国内にあれば日本の法律(相続税法)が適用されます。その場合、国外財産であっても国内財産と同様に相続税評価をしなければなりません。
ただ国外に財産がある場合、預金の残高証明書を入手できなかったり、不動産の鑑定評価方法が複雑だったりして、日本国内財産に比べて評価は難しくなることが多いです。たとえば遺産管理権のない相続人が金融機関に残高証明の発行をしてもらえない、プロベイトの手続き内でしか残高を開示してもらえない場合などがあります。不動産は、現地の専門家に鑑定評価してもらう必要があります。言葉なども異なるため、色々と障害が多いのが実態です。